「98回国展」に「帯地アイスバブル」出品

「98回 国展」が昨日閉会いたしました。
多くの方にご覧いただきまして、ありがとうございます。
私は工芸部に、
絞り絣帯地「アイスバブル」を出品しました。
「アイスバブル」という自然現象ご存知でしょうか?
日本では、北海道の糠平湖やオンネトーで見られて、凍てつく真冬に、湖が凍りつき、水底の木枝や草から発生したガスが氷でさえぎられて、氷の中に閉じ込められる現象です。
空気の泡が、氷を通した太陽の光に煌めきとても美しいのです。
そんな景色に感動して作りました。
  
仮織りした布に絞り染めをほどこし、よこ糸を解き、しまの糸をたして、もう一度機にかけなおして織りあげました。
組織は、氷の下の泡の煌めきを表したく、吉野格子で糸を浮かせてあります。
この作品は繰り返しの模様ではないので、3メートルと長く展示していただけたことで、泡が、水底から湖面へ上がっていく様を感じていただけたようで、嬉しかったです。
毎年のこの国展が、私にとってのお正月のような?新年の切り替わりです。
また来年の国展で、そうそうたる皆さま方とご一緒に、この白く広々とした国立新美術館に、作品を飾らせていただける歓びを味わえますよう、真摯に織りに向き合っていきたいと思います。